「ニセ選挙運動」、予想外に盛り上がってしまっている


都知事選に便乗して展開している「ニセ選挙運動」も、当たり前だがモノホンの都知事選と同様、これを書いている現在、11日目の“闘い”を終えてもはや“終盤戦”に突入しつつある。

前回(2014年)の都知事選での「舛添サンほめご…大絶賛キャンペーン」や昨年の福岡市議選での今回同様の「ニセ選挙運動」では、街宣車に同乗してマイクを握り街宣スピーチを体験してみたい人を一般から募集し、実際とくに「舛添サンほめご…」の時はたくさんの参加者を得て、車内はほとんど大喜利大会の様相を呈した

 

 

 

しかし今回はそうした“募集”を基本的にはおこなっていない。“選挙に出る”とか“選挙に出た人を応援する”とか以外の方法で、選挙に介入し、しかも出たり応援したりするよりはるかに楽しくて有意義な手法を私は2つも考案して、しかもまずは自ら実践する形で提示してやったのだから、やりたきゃあとは自分たちでやりゃいいのだ。そういう機会を私がお膳立てしてくれるのを待ってるだけの“消費者”なんぞに、こちとら用はない。

そもそも今回はあまりにも唐突な都知事選で、新しいアイデアを捻出する時間的余裕もなかったので、昨年2回も(九州と大阪で)やったことの焼き直し、いや焼き“直し”てさえいない純然たるヤッツケ、セルフ・コピーである。やはりたまたま東京滞在中だった「九州ファシスト党〈我々団〉」の同志・山本桜子(通称“スタッフS嬢”)と2人で細々とやりつつ、あとは2、3人、首都圏在住で、このテのことが抜群に上手い友人知人に声をかけて手伝ってもらう程度に考えていた。

ところがいざ始めてみると、とうてい“プラス2、3人”では足りないのである。ほんとに立候補してるわけではないんだし(!)、なにも朝から晩までマジメに“選挙カー”を走らせる必要もないのだが、そこらへん私は根がマジメなのだ。やるからにはテッテー的にやってしまう。まあ実際はライバル陣営(?)たちに負けじと朝8時から夜8時までフルにやることは少ないとはいえ、せめて朝10時ぐらいからはやりたいよなあと思ってしまうし、いったん始めるとついつい夜8時まで頑張ってしまう。アテにしてた“2、3人”もそうそうヒマでもなく、どうしても主には私と桜子の2人でやらざるをえず、しかも7:3で私がマイクを握ることになる。はっきり云って、めちゃくちゃキツい。

開始つまり告示日の数日前、私がイチオシし、私自身が半ばスタッフの一員でもある、全国ツアー中のテント劇団「どくんご」の埼玉公演で、同劇団関係者つながりのダンサー・村上理恵女史に「ニセ選挙運動」の計画を打ち明けると、「私も乗りたい!」と云ってきた。実は2年前の「ほめご…」でも3回ぐらい同乗した人である。つい最近まで看護婦をやっていたのだが、その経歴をアピールし、“第2の公認候補”として名乗りを上げたいと(勝手なことを)云う。キャッチコピーもその場で決まった。「都政のお熱、測ります」だ。

「人手が足りなくなったら頼むかもしれない」ぐらいのつもりで、なるべく私と桜子の2人でやっていく覚悟でいたのだが、4日目、ついに村上女史にSOSを出した。我々少数派の切実な試行錯誤に無理解な世間様にはもともと意味不明ではあろう今回の運動は、「とやま恒一」と大書してある(ニセ)選挙カーから、「村上、村上理恵でございます!」と絶叫が聞こえてくるという、ますます意味不明な様相を呈した。

どうであれ代わりにマイクを握ってくれる援軍があるのはラクである。これを機にヤセ我慢路線はすっかり放棄された。

5日目は、「反体制おもしろ知識人」を自称し、「在日ソ連人」でもある、つまり肩書からして世間様には意味不明な中川文人氏に同乗してもらった。まず私のスピーチを聞いて、中川氏は「てっきり“おちゃらけ”の運動で、ふざけたことを云ってればいいのかと思っていたのに、とことんマジメな、堂々たる、王道の思想運動ではないか!」と驚愕し、尻込みしつつ恐る恐るといった調子でマイクを握ったが、さすが歴戦の「国際共産主義者」、やがて得意の(?)鈴木宗男のモノマネで滔々とまくし立てるようになった。

6日目はまた“基本”の“2人”でシノぎ、7日目、やはり「ほめご…」の時に何度か同乗して、通行人に“語りかけ”ようという姿勢がないので街宣としては全然ダメなのだが、独り言のようにブツブツと面白いことを呟き続けるスタイルで車内を爆笑の渦に包んでいたアナキスト青年・室伏君にご登場願った。“芸風”は相変わらずで、通行人は笑わないが車内(私と桜子と、動画で“毎日ルポ”をやってくれているO氏)は爆笑の連続だった。

8日目、ついに恐れていた私“独り”の街宣をやり抜き、9日目は“2人”体制に戻り、そして10日目となる7月23日・土曜、「この日なら空いてるよ」という友人知人が集中して、ニセ選挙カーは定員の6人ギリギリ、しかも桜子を途中離脱させ、さらに1人を「もう乗れないから」と追い返してしまっての“6人”である。撮影のO氏を除き、私を含めて5人が代わる代わるマイクを握った。7日目の室伏君とはまた別のアナキスト青年、一時期はかの有名なリベラル学生団体で活動していた(つい最近まで)女学生、格闘技イベントの司会者のような声質で「ほめご…」の時にも活躍した演劇青年、そして某極右政党の若手ホープ・山本和幸君、思想も出自もバラバラな4人だが、バラバラな人々をバラバラのまま“束ねる”ところに「ファシズム」の真骨頂がある。

もちろん知ってる人は知っていよう、「ほめご…」の時にその圧倒的なパフォーマンスで全国の心ある(もしくは心ない)反原発派の諸君の度肝を抜いた、その場の出まかせでテキトーなことを云わせたら右に出る者はない“右翼界の高田純次”山本和幸君がこの日のメイン・ゲストである。あれは……書き言葉では再現できんなあ。「ほめご…」での20分強の衝撃のアドリブ速射砲スピーチを観て、想像してもらいたい。

 

 

そして本日11日目は、私と桜子、昨日に引き続いて元「何とかルズ」の元女学生の3人体制で息抜きに観…いや東京の隅々まで大事に大事に回るべきだということで、青梅市、奥多摩町、桧原村……と東京極西部の“秘境”を攻め、誰もいないし大自然の中で、撮影のO氏も含め4人で、何かの機会に実は一度やってみたくもあった例の「民主主義って何だ?」「これだ!」を満喫した。

昨年の福岡市議選での「ニセ選挙運動」にわざわざ東京から駆けつけてくれて、山本和幸君に勝るとも劣らない脅威のアドリブ「ニセ選挙」スピーチを披露してくれた(参考:「外山恒一の“ニセ選挙運動”in福岡市議選2015 (featuring 応援弁士 寺尾恵仁 篇)」 および「外山恒一と我々団『選挙反対キャンペーン(ニセ選挙運動)』in 福岡市議選2015 〈ファシスト党員&助っ人弁士 百花斉放篇〉」)、“さっすが演劇人”な演劇夫妻が、本来は東京在住なのに現在は演劇研究のためドイツ留学中であるのが悔やまれるが、12日目となる明日、今回の“真打ち”ではなかろうかと内心期待している、「ほめご…」でもナンバー・ワンの活躍を見せてくれた、イベント・コンパニオンで“マジうぐいす嬢”経験も豊富な女性がマイクを握ってくれることになっている。

完全にルーティンなヤッツケのつもりで始めた今回の「ニセ選挙運動」、予想外に盛り上がってしまっている。